2014年7月、アイリスオーヤマと農業法人の舞台ファーム(本社仙台市)が共同出資した精米事業会社「舞台アグリイノベーション」の亘理精米工場(宮城県・亘理町)が稼働を開始した。10万t/年の精米能力を持ち、最大4万2000t(パレット4万2000枚分)の玄米/精米の出庫を先入れ・先出しで管理する能力を備えた、敷地面積約2万2830m2の巨大な工場だ(図1)。

図1●舞台アグリイノベーションの精米工場
面積2万2800m2以上の敷地に1万1500m2以上の建築面積の工場が建っている。4万2000tの玄米/精米を管理する自動倉庫を備え、10万t/年の精米能力を持つ(a)。工場の1階に50t/日の処理能力を持つ精米機を6台設置している(b)。ラインは自動化されており、玄米の出庫から精米の梱包まで、人の手が触れることはほとんどない。
[画像のクリックで拡大表示]

 同工場の最大の特徴は、玄米の保管から精米、包装までの全工程の温度環境を15℃以下に保つ「トータルコールド製法」で米の鮮度を保つ点にある。3合ずつの少量でパック詰めする独自の梱包形態も鮮度の低下を防ぎ使いやすさを高めるための工夫だ。そこには、アイリスオーヤマの製造業ならではの発想と技術が生きている。