世界的に見て優れているとされる日本の接合技術の中でも注目できるのが、狭い面積で強い接合強度が得られる樹脂と金属の接合技術だ。接合面が樹脂そのものと同程度かそれ以上の強度になるように接合できる。のりしろなしで、棒材や板材の断面同士を継ぎ合わせることも可能になっている。

 この技術により、樹脂と金属それぞれの性質を組み合わせた部品を生み出せる。例えば、従来は樹脂だけで造っていた部品の一部だけを金属で置き換えて、そこだけ電気が通るようにしたり、強度を上げたりすることができる。

 樹脂と金属が強固に接合する要因の1つに「アンカー効果」がある。文字通り、アンカー(碇)が海底の凹みに引っかかるように、樹脂が金属側の微細な凹みに入り込んで動かなくなり、極端に強い接合強度を生み出す効果を指す。