一見、人がいなくなった国内の工場。しかし、設備の点検や保守、段取りなどにはまだ人の手と頭が必要だ。この人の負担をさらに減らせるのが、「IoT」や「M2M」、すなわちネットワークを利用したビッグデータの高度な活用だ。国内工場で始まった、これらのデータ活用の取り組みを見ていく。

 さまざまな機器がインターネットによってつながる「もののインターネット(Internet of Things)」、あるいは「M2M」(Machine to Machine)。これらによって、日本の工場が変わり始めている。

 設備に付けた多くのセンサーなどから大量のデータを取得し、分析して利用することで、高度な自動化とともに生産活動のムダの徹底した削減が可能になる。すなわち、ビッグデータを活用する国内工場が増えているのだ。米国での「Industrial Internet」、ドイツでの「Industry 4.0」に優るとも劣らない取り組みが進んでいる(図1)。

図1●高度なデータ活用を実現する工場
これまで利用していなかったデータを取得・分析し、不良発生やムダをきめ細かく排除する。さらに、不良やムダを未然に避けるような自動制御も可能になる。
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