担当者から

取材のはずがUターンの相談に…
 特集の取材でデンソーが愛知県豊橋市で実証中のトマト農場を訪れていた時、気づくと“Uターン”の相談になりかけていました。クルマの「転回」ではなく、都会に出た地方出身者が地元に戻る方です。実は、私の実家は豊橋の農家。デンソーとトヨハシ種苗が開発した農業支援システムは、ある程度の投資は必要なものの見返りは期待できそうです。「やるならトマトですか?」と聞くと、「トマトは儲かっているから、若い跡取りも増えてますよ」とトヨハシ種苗の大橋氏。思わず「そろそろ農家か…」と私の心がつぶやきます。「補助金は?」と本題と関係のない質問すらぶつける始末。悩みを抱えつつ、東京でこの原稿を書いています。(久米)

メガネ屋とソニーに見る選択と逸脱
 メガネメーカーが開発したウエアラブル機器を取り上げました。開発者から感じたのは“メガネ屋”としての意地です。メガネの左右非対称性はユーザーを疲れさせ、耳側よりレンズ側に重心をかけると重く感じさせると言います。そんな装着感へのこだわりを反映したのが2つの製品です。しかし、両社は視力矯正というメガネ本来の機能では勝負していません。エレクトロニクスメーカーでいえば、電子機能を盛り込まず、別の強みで挑んだということです。私が思い付いた例はソニーの金融商品。本業で培ったブランド力を非電子分野で生かしたと言えます。ソニーの業績や動きからは、それが良い戦略のようにも見えます。(三宅)