機能的な必然性がある部分に限ってコストの高い材料を局所的に使い、残りは低コストの代替材料で置き換えて、コスト削減を狙う。その際に、製品の性能も犠牲にしない─。これが、ニッパツが異種材料接合の技術開発を進める理由だ。
同社は銅(Cu)とアルミニウム(Al)合金を直接接合できるコールドスプレー技術(後述)の開発に力を入れている(図1)。これを生かせば、熱や電気の伝導性に優れるものの高コストなCuを局所的に使いながら、Cuの代わりにAl合金を徹底的に使うことでコストを抑えるという設計が可能になる。同社はろう付けをコア技術として持っている。だが、ろう付けでは銅とAl合金を直接接合させることはできなかった。両材料の接合面に脆性層である金属間化合物が生じてしまい、十分な接合強度を得られないからだ。