図A●ブリヂストンが生産するコンベアベルト(スチールベルト)
海外の鉱山などでは数十kmの長さで使われることもある。同社横浜工場で生産する。
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 異種材料接合の中でも、歴史の比較的長いものがある。その1つがゴムと鋼の接合だ。タイヤの製造に必須の技術であり、タイヤメーカーはその技術をさまざまな製品に応用している。

 例えば、コンベアベルト(スチールベルト)もゴムと鋼線によって構成する製品である。鉱物や石炭などの重量物を何十kmにもわたって運ぶのに用いる(図A)。荷の重さに耐えると同時に、始終点では転輪に巻き取られて方向が180度変わるという、大きな変形が発生する。この荷重に耐える強靭さと、変形に耐えるしなやかさを、ゴム(コンパウンド)と鋼線の組み合わせで実現しているわけだ。