「自動車部品の質量を4分の3にした」(ホンダ)、「従来品よりも20%近くアクチュエーター・ハウジング(エンジン部品)の質量を削減した」〔京浜精密工業(本社横浜市)〕─。長年軽量化に取り組んできた自動車業界において、このように一気に20~25%もの軽量化を可能にしたのが、異種材料接合技術である。

 現時点ではこれだけの軽量化を異種材料接合以外の技術で達成するのは難しい。部品軽量化のために、もう打てる手はほぼ打ってしまった現在、構造の工夫などでは数%の軽量化が見込めるくらいである。この限界を打破できる技術が異種材料接合だ。

 異種材料接合とは、異なった金属同士、金属と樹脂、異なった樹脂同士などを、ボルトや接着剤なしで強固に接合する技術である。“強固”とは、材料と同等以上の強度を接合部が持つこと。すなわち、引っ張って引きはがそうとしたとき、接合面ではなく材料の方が切れて(母材が破断して)しまうような接合だ。