トヨタ自動車の世界販売台数が世界初となる1000万台を超えた。営業利益も2兆2900億円を超えて過去最高を記録。ただ、リーマンショックや大規模リコールから浮かび上がった課題への対応はこれから。世界で最も強い自動車メーカーを目指して、部品の標準化、次世代の電動化、中国市場での巻き返しに挑む。(小川計介)
特集
トヨタ、三つの挑戦
標準化、電動化、中国市場対応
目次
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Part.1:販売台数から見えた課題
トヨタは変われるか
世界販売台数で業界初となる年1000万台を超えた。営業利益も6年ぶりに最高を記録した。ただ、収益力・品質管理、電動化、中国市場への対応、という課題への本格的な対応はこれから。リーマンショック後の大幅減益や大規模リコールの再発は許されない。持続的成長に向けて、部品の共用化や標準化であるTNGAをはじめ…日経Automotive
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Part.2:部品の標準化
TNGAで開発・生産を高効率に
トヨタはこれまで、開発責任者に全権を任せるチーフエンジニア制度を堅守してきた。この仕組みは、車種ごとに部品の小型・軽量化を追求し、広い室内空間や低燃費の実現に貢献してきた。ただ、車種の増加とともに、部品の種類が増えて、車両の開発を根本から見直す必要に迫られている。トヨタはTNGAという働き方の改革で…日経Automotive
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Part.3:次世代HEVへの展望
2020年には40km/Lが視野に
ハイブリッド車(HEV)の代表格である「プリウス」の勢いに陰りが見えている。燃費で同車を上回るようなクルマが相次いで投入されているためだ。次世代プリウスは、モーターや電池を小型化しつつ、大幅な燃費向上を目指す。中長期では高効率のPCU(パワー・コントロール・ユニット)を開発し、2020年には40km…日経Automotive
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Part.4:中国市場への対応
小型車とHEVで巻き返し
世界最大の市場となった中国で、トヨタのシェアは4%に過ぎない。新興国全体では中国で販売していないIMVがトヨタの世界販売の1割となる100万台を占める。中国市場で求められるのは急速に伸びている小型車と、2020年の燃費規制の強化に向けた環境対応車だ。2015年にはハイブリッド車(HEV)の基幹部品の…日経Automotive