カイゼン活動の早い段階で大きな成果を上げる革新手法として知られる「ダイセル生産方式」(以下、ダイセル式)1)。ダイセルは2014年6月30日、ダイセル式の発祥の地である姫路製作所(兵庫県姫路市)網干工場で報道陣向けに工場見学会を実施した(図1)。ダイセル式を報道陣に知ってもらうためである。

図1●ダイセル姫路製作所網干工場の全景
2014年3月27日に、セルロースエリア内にある無水酢酸製造設備で小規模の火災が発生した。
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 この席上、ダイセル式の体系化を手掛けた同社取締役常務執行役員の小河義美氏がある事実を明かし、報道陣の耳目を集めた。同年3月27日、この網干工場の無水酢酸製造設備で小規模火災が発生していたというのだ。「作業者がいち早く火災に気付き、適切な処置を施し大事には至らなかった」(同氏)という。