「えっ、嘘でしょう?」。2014年5月16日、僕にとってショッキングなニュースが舞い込んできました。それは、「超小型人工衛星のWNISAT-1が一部機器の故障によりミッションを変更した」というもの。発表したのは、この人工衛星の所有者で、個人や企業向けに気象情報などを提供しているウェザーニューズ(本社千葉市)です。実は僕、WNISAT-1の存在が気象業界にヒット商品をもたらすだろうと、同社と衛星の開発を担当したアクセルスペース(本社東京)を取材していました。故障の発表は、そのわずか1か月後のこと。WNISAT-1に一体、何が起きたのか? 今回は、失敗の経験を逆手に取り、新たな道を切り開かんとしているWNISAT-1のヒットの謎を解いてゆくことにいたしましょう。

※上の写真のWNISAT-1の底部に黒い台形部品がありますが、これは展示時に衛星を固定するための治具で、衛星の一部ではありません。