管理─良い悪い、早い遅いを分かるようにする

書:山田思苑
写真:堀 勝志古

 1960年代、経営コンサルタントになることを夢見て入った日本生産性本部(経営コンサルティングなどを手掛ける財団法人)で僕は、管理とは何かを初めて学んだ。「経営管理概論」と題された職員研修でのことである。講師の先生はこう言った。「管理とは、Plan(計画)-Do(実施)-Check(反省)のサイクルを回すことである」。この時、僕の頭の中に浮かんだのは、「人間は考える葦(アシ)である」という哲学者Blaise Pascalの言葉だった。「この世の中で人間のみが考えることのできる動物だ。だから、進歩・発展ができるのか」と妙に納得して帰ったものだった。