極小の歯車「マイクロ歯車」を射出成形する技術を持つアイカムス・ラボ(本社盛岡市)も、非医療機器を足掛かりに医療・ライフサイエンス市場での事業を強化しようとしている。同社が2013年11月に発売した電動ピペット「Pipetty」は、医薬や生物の研究や検査・分析などの用途を狙った製品だ(図A)。細身で胴体下部にもトリガーボタンが付いているので、ペンのように持って人差し指でトリガーボタンを押せる「世界初のペン型電動ピペット」(同社代表取締役の片野圭二氏)。質量は70gと海外製の製品に比べて軽く、微量の精密計量作業が楽になる。吸入した液体を複数回に分けて吐出する「連続分注」(最大25回)の機能も搭載する。ポンプに使っているアクチュエーターの駆動精度が高いため、「既存製品に比べて分注のバラツキが少ない」(同氏)という。

図A●ペン型電動ピペット「pipetty」
従来の電動ピペットの使用方法は、親指以外の4本で握りしめて後端のトリガーボタンを親指で押すというものだったが、pipettyはそれに加えて、ペンのように握って人差し指でもトリガーボタンを押せるようにして作業性を高めた。