「よくできてるわ。すごいな」「これは革命やな」─。本物に似た質感と精緻に再現された形状を持つ樹脂製の心臓モデルを見た心臓外科医は、感嘆の声を上げた(図1)。その心臓モデルを開発したのが、3Dプリンターなどを活用した試作を中核事業とするクロスエフェクト(本社京都市)だ。同社の軟質心臓モデルは医師などから高い評価を獲得し、2013年度の「第5回ものづくり日本大賞内閣総理大臣賞」(経済産業省主催)にも選ばれている。

図1●クロスエフェクトの軟質心臓モデル
外形や心室、心房の内部の形状だけでなく、大動脈や冠状動脈も中空で再現されている(a、b)。価格は標準モデルで約20万円、完全オーダーの場合は40万円程度である。ユーザーが導入しやすいように学習用の安価なモデル「Cardio Model E.V」を提供している(c)。価格は3万5000円。標準モデルは中子を使い捨てるが、Cardio Model E.Vはあらかじめ切り込みが入っており、中子を取り出して再利用する。
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