日本国際賞を受けた末松安晴氏
1932年生まれ。1955年に東京工業大学理工学部を卒業、1960年に同大学で博士号を取得。1973年に同大学理工学部電子物理工学科教授。一貫して大容量長距離光ファイバー向けレーザーを研究。同大学学長、国立情報学研究所所長などを歴任。2011年に東京工業大学栄誉教授。

 2014年の日本国際賞が同年4月、東京工業大学栄誉教授の末松安晴氏に贈られた。光ファイバーでの損失が最少となる波長で発光し、しかも大量の情報が送れるように波長が変えられる半導体レーザーを開発、現在の光通信の基盤を築いたことが評価された。同氏が開発した半導体レーザーは現在、海底および陸上の基幹光ファイバー通信の光源として利用されている。数々の壁を打ち破ってきた同氏に、「長期研究を成功させるために何が必要か」を聞いた。

日本国際賞 国内外の科学者・技術者を対象に、科学技術分野で独創的な成果を上げ、人類の平和と繁栄に貢献した人に贈られる。1985年に松下幸之助氏の支援の下に創設。30回を迎えた2014年は末松氏の他、遺伝子の後天的変化の機構を解明した、米国のC.David.Allis氏が受賞している。