コマツは、国内主力生産拠点である粟津工場(石川県小松市)内に新組立工場を建設、2014年5月30日に竣工式を行い、量産を開始した(図1)。新工場は、同社の従来工場に比べて生産性を15%向上(工数を15%削減)し、コストも15%削減している。さらに、省エネルギーの徹底と太陽光発電や木材チップ発電の導入などによって、電力会社からの購入電力量を9割以上削減する計画だ。

図1●ホイール生産ラインの全景
フレームとその両脇の作業スペースは、メインライン(写真の左側)上を奥に向かって流れていく。大型部品はクレーンで運ぶ。新工場の延床面積は3万1900m2
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 同社代表取締役社長兼CEO(最高経営責任者)の大橋徹二氏は竣工式において、「新組立工場をはじめとする国内生産拠点は、競争力を生み出す世界のマザー工場の役割を担っている。国内でものづくりをすることで新しい技術や生産プロセスを開発できる」と強調した。

 新工場は、築40年を超えた2棟の組立工場を1棟に集約したもの。以前は別々の工場で生産していた、ホイール(ホイールローダーなどタイヤで走行する建機)とクローラー(ブルドーザーなどキャタピラーで走行する建機)の生産ライン2本を並べて設置する。