2014年4月、かねて申し入れていた福島第一原子力発電所の事故現場の視察が実現し、多核種除去設備「ALPS」(Advanced Liquid Processing System)や4号機の使用済み燃料集合体の移送、非常用ディーゼル発電機などを見学した*1

*1 この他、免震重要棟、原子炉注水ポンプ・処理水貯蔵タンク、凍土遮水壁実証試験現場など17施設を見学した。

 筆者は、これまでに同原発を6回訪問している。しかし、今回は、これまでとは違うものが感じられた。事故後に建設された施設などで敷地内の光景は事故前から一変し、まるで戦場のようだった。関係者の動きも機敏だった。本稿では印象深かったALPSと4号機の使用済み燃料集合体の移設作業の状況を報告する。