【3Dプリンター】3Dプリンター向け新データフォーマットの策定が進む

 3Dプリンターにおいて3Dモデル情報を記述する新たなデータフォーマットの策定が進んでいる。策定作業に参画している慶應義塾大学環境情報学部准教授の田中浩也氏が2014年5月12日、東京都内で開催された「3Dプリンティング・シンポジウム」で最新の状況について講演した。

 新しいデータフォーマット「AMF(Additive Manufacturing File Format)」は、現在3Dプリンターで使われている「STL」をベースにその弱点を補うもので、色や材質、内部構造に関する情報を記述できるのが特徴。部位による複数材質の使い分けの指定や、2種類の材料の比率を段階的に変えて造形するような指定もできる。造形物内部の構造は数式で記述。造形物の表面に画像を印刷する指示も可能で、3Dプリント実行時に最も効率的な向きも指定できる。作者名、モデル名などのメタデータの記述もできるようにした。

 データ量は、バイナリーで表現したSTLよりも大きいが、ASCIIで表現したSTLよりも小さくなる見込み。AMFは3年前に策定が始まり、現在国際標準化・規格策定機関のASTMインターナショナルにおいて、最初のドラフトが提案されている。次期バージョンではデータの暗号化や電子透かしの定義、組み立て指示との連携、加工手順、3Dテクスチャー、STLと異なった形状表現(ボクセルなど)といった情報を盛り込むことを検討するという。(木崎)