製造業にとって、3Dプリンターを最終的な製品や部品の製造装置として使えるか否かは大きな意味を持つ。現状では、試作品を素早く、安く手に入れるために使われることが多い。もちろんその効果は小さくないが、最終製品/部品を造れるとなれば、設計段階から最適化を施すことなどで、より高い付加価値を得られる可能性が出てくる。最終製品/部品の製造手段としての3Dプリンターの実力と活用の実態を探る。
特集
製造装置 3Dプリンターの実力
目次
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製造業の3Dプリンター活用が節目に、「試作」から「実製品の製造」へ進化
試作向けの装置から実製品の製造装置へ─。3Dプリンターが新たなフェーズに入りつつある。日経ものづくり
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最終目標は1個生産を1/100の期間で、積層と切削の複合加工を金型で展開
パナソニックは、付加価値の高い商品を素早く開発し、生産する手段の1つとして3Dプリンティング技術を活用している。その最終的な目標は、「1個でも採算が取れるような高付加価値の商品を、従来の1/100で造ること」だ。このため、製品開発プロセスにおける設計検証のための試作だけでなく、実製品の生産での3Dプ…日経ものづくり
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金属3Dプリンターの実力を検証、予熱の有無で実現形状に差
金属粉末を選択的に焼結して積層する金属3Dプリンター。焼結する熱源として現在主流なのは、レーザービームを使うタイプと、電子ビームを使うタイプの2方式だ。両方式は出力や走査スピードが異なり、それが積層面全体を1層1層予熱するかどうかという大きな違いとなっている。これは残留応力や粉末の除去性に影響し、目…日経ものづくり
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最大の課題は材料の少なさ、材料提供で新規参入の機会も
調査テーマ「3Dプリンターへの期待と課題」
最終製品/部品の製造手段として、3Dプリンターの活用を検討しているユーザーは多い。とはいえ、現状では試作品の作製を目的とするユーザーが多数なのも事実。その背景には、造形材料の種類の少なさなどの課題がある。この課題の解決に向けて、日本の技術力が貢献できる部分も大いにありそうだ。日経ものづくり