今号から、国内外の最新ハイブリッド車(HEV)やエンジン車を分解して研究する分解レポートをお届けする。初回に取り上げるのはホンダの「フィットハイブリッド」。埼玉県産業振興公社の次世代自動車支援センター埼玉は、県内の中小企業をサポートする活動の一環として完成車の分解研究を実施しており、本誌5月号でその概要を紹介した。今回は同センターの協力の下、エンジン、ハイブリッド変速機、電池ユニットについてより詳しくレポートしていく。なお、次回は電動パワーステアリングや電動サーボブレーキといったシャシー関連部品を取り上げる予定である。

IMAからDCT+1モーターへ大幅な進化

 ホンダはHEVのラインアップ拡充を進め、「スポーツハイブリッド」の呼称で、3種類のハイブリッドシステムを実用化している。このうち、フィットに搭載するのは、デュアル・クラッチ・トランスミッション(DCT)+1モーターに、排気量1.5Lの直列4気筒エンジンを組み合わせた「i-DCD(Intelligent DualClutch Drive)」である(図1)。このシステムは「ヴェゼル」にも採用している。

図1 ホンダ「フィットハイブリッド」
(a)2013年9月に発表された3代目「フィットハイブリッド」を分解。展示室に並べられた部品群。(b)DCT+1モーターでJC08モード燃費36.4km/Lを実現。
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