持続的成長への新たな一歩を踏み出す

トヨタ自動車社長の豊田章男氏

 トヨタ自動車社長の豊田章男氏は、2014年5月に開催した2013年度の決算発表会で、「2014年度は、持続的成長に向けて新たな一歩を踏み出す年になる。クルマ1台1台の積み重ねで成長していきたい。そのためのエンジンは、魅力ある商品と人材だ」と述べた。

 同社の2013年度の連結売上高は前年度に比べて16.4%増加の25兆6919億円、営業利益は同73.5%増加の2兆2921億円となった。営業利益は過去最高である。同社のグループ世界総販売台数は2013年度に、世界の自動車メーカーで初めて1000万台を超えた。国内外における好調な新車販売や円安効果などが、好業績の要因である。

 ただし、2014年度の連結売上高は25兆7000億円、営業利益は2兆3000億円と、前年度並みにとどまると予想している。弱気にも見えるこうした見通しについて豊田氏は、「2014年度は意志のある“踊り場”と考えている。売上高や利益は、目標ではなく結果だ。掲げた数値目標の達成にこだわり、株主利益を損なうようなことはしたくない」と強調した。持続的な成長を目指して、生産性や競争力を高める設備投資や研究開発投資に重点を置き、ハイブリッド車や高効率エンジン、燃料電池車、安全技術の開発などに経営資源を投入する。