2000年代初期のITバブル崩壊の影響を受け、半導体産業向けのサーボ事業の売上高が大きく落ち込みました。そこで特に力を入れたのが、自動車産業向けロボットです。ところが、2008年にリーマン・ショックが発生。これにより、当社の3つの事業であるインバータ事業、サーボ事業、ロボット事業が影響を受けてしまいました。

沢 俊裕氏●安川電機 代表取締役 専務執行役員 東京支社長 兼 輸出入管理部長(前専務執行役員 技術開発本部長)(写真:栗原克己)

 一方で、システム事業は割に頑張ってくれた。この理由は、顧客のニーズに即した商品群をそろえていったことにあります。これらの経験を踏まえて社内で議論し、コア技術であるメカトロニクスを生かす方向は間違っていない。しかし、もっと顧客の価値をくみ取り、最適な提案をする「価値連鎖の強化」を図ろう。加えて、既存市場だけでなく、新市場を開拓して新しい顧客に価値を提供しようと考えました。この2つが今後の当社の事業および技術開発の方向性です。