開発中のセンサーの受光部(図:立命館大学)
開発中のセンサーの受光部(図:立命館大学)
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 歩行者を道路や建物と確実に識別できる新しい赤外線センサー技術を立命館大学と三菱電機が共同開発した。センサーチップ表面に特殊な微細加工を施すことで、光学フィルターを使わず、偏光の有無から人工物とそれ以外を判別する。偏光を検知可能としたのは、特定方向に偏光した光のみを選択的に吸収する「プラズモニック吸収体」である(図1)。この吸収体はμmオーダーの周期的な凹凸を付けたAuなどの膜。周期で決まる特定波長の光が選択的に吸収される性質を備える。今回、凹凸を楕円の孔とし、この性質が短径方向のみで表れるように設計した(図2)。偏光した光が入射しても短径方向と一致していなければ吸収されず、センサーに検知されなくなる。