失敗事例を含め、詳しく解説
高性能車専用だったターボチャージャーは、燃費を向上させる装備へと性格を変え、より重要性を増した。
本書は1960年代からターボチャージャーに関わってきた著者が、その知識と技術をもとに体系的、かつ実用的に解説したもの。著者は小松製作所、ギャレットターボ両社の勤務経験があり、エンジンメーカー、ターボチャージャーメーカー両方の立場を理解している。
発展の経緯を見ると、ターボチャージャーの歴史はターボラグとの戦いの歴史であることが分かる。熱と流れの基礎に始まって、振動、材料、加工、組み立て、品質確認試験の方法に至るまでを幅広く述べている。実際の図面を添えてノウハウを示した部分もあるし、失敗事例にも触れている。性能試験の成績表も生の数字のまま公表している。ターボチャージャーに新規参入するメーカーがあるとすれば、この書籍を参考にして図面を引き、1回目の試作品を造り上げるのに十分なほどの情報が揃っている。2006年版を基に、新装版として発行した。