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目次
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産業用ロボット、1台120万円也
2016年の春、O編集長の「M君、ハノーバーメッセに行きたい?」という問いかけに対して、私が「是非」と答えたことで、私の海外出張が決まった。出張の目的は、ドイツのハノーバーで2016年4月25日~4月29日まで開催される世界最大規模の産業技術の展示会「Hannover Messe 2016」の取材で…日経エレクトロニクス
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AIとBIがもたらす希望と絶望
人工知能(AI)が人間の存在理由を揺さぶっている。米Google社が開発した囲碁を打つAI「AlphaGo」が、囲碁界のスターの1人に4勝1敗というニュースは、ルールが決まっている範囲での思考ではAIが人間を既に超えたことを示した。日経エレクトロニクス
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脳を拡張する道具
読んでもいない本に、考えを方向付けられるのだから不思議なものである。大学の生協に平積みになっていた『思考のための道具』 。ハワード・ラインゴールド氏がコンピューターの開発史を綴った書籍だ。その後ずっと、人の思考を強化するのがコンピューターの役目と信じ込んでしまったのは、手にとってパラパラとめくっただ…日経エレクトロニクス
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所変われば品変わる
中国出張の最終日。友人から借りていたお金を返そうと、財布からお札を取り出し、貸し主に渡した。顔を上げると、一緒にいた別の友人たちが驚いたような顔をしている。そのときは気にとめなかったが、後から話を聞いて理解した。このようなとき、最近は、オンライン決済を使うのが一般的だという。現金を取り出し、直に手渡…日経エレクトロニクス
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ソフトウエアの時代って、どうなったのか
初めに述べておきたい。私はハードウエアの信奉者だ。エレクトロニクス製品の付加価値は、基本的にハードウエアによるものだと思っている筋金入りだ。10年以上前か、もっと前からだろうか、「これからはソフトウエアの時代だ。ソフトウエアがなければハードウエアはタダの箱だ」と方々で言われた。例えば、iPhoneが…日経エレクトロニクス
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“5G”の呼称、早くも混乱の兆し
現在、国内の大手移動通信事業者がサービスを展開しているLTE-Advnced(4G)から、2020年の第5世代移動通信システム(5G)までの間をつなぐ技術の呼称が決まった。その名は「LTE-Advanced Pro」。現在策定中の仕様「Release 13」以降に機能拡張されたLTE系の技術をこのよ…日経エレクトロニクス
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電機メーカー研究者は、商社マンを目指す
「ものづくり」から「ことづくり」へ。日立製作所が研究開発の役割を見直している。2015年10月、研究開発グループの一施設「社会イノベーション協創センタ」(東京・赤坂)で、社会インフラ分野における新しい事業機会を見出し、ビジネスモデルを顧客とともにつくる試みを始めた。顧客との「協創」のための独自開発…日経エレクトロニクス
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岩田さんの宿題
任天堂の岩田聡氏の急逝を受け、同社は君島達己常務を次期社長に昇格させる人事を発表した。君島氏は三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)のニューヨーク支店などで勤務し、任天堂では米国拠点トップをつとめるなど海外経験が豊富だ。筆者も米国駐在当時、「E3(Electronic Entertainment Expo…日経エレクトロニクス
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“現場”で広がるウエアラブル
ヘッドマウントディスプレー(HMD)「Google Glass」を米Google社が2013年に発表したころから、「ウエアラブルブーム」が巻き起こった。ブームの中心は、主に研究者や、「アーリーアダプター」と呼ばれるような一部の消費者だった。ところが、利用者の裾野はそれほど広がらず、今のところ民生分野…日経エレクトロニクス
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ドローンの死角
今話題のドローンは、“未来社会”を感じさせてくれる機器だ。自律飛行技術を移動体通信の無線ネットワークと組み合わせることで、例えば宅配ビジネスが大きく変わる可能性がある。スーパーへのちょっとした買い物も、ドローンで済ませるようになるかもしれない。空を見上げると、多数のドローンが決められたルートを列を成…日経エレクトロニクス
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Pepper は何にも似ていない
「僕を分解しないで」。ギクリとした。機械の抑揚のない声が余計に生々しい。人が入力した文言だとわかっていても、目の前の動くモノとして迫ってくる存在感にはかなわない。米Apple社の「Siri」など、どんなに賢そうでも体を持たない声では、こうは焦らなかっただろう。日経エレクトロニクス
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漫画からヒット商品
先日読んだ「ハルロック」という漫画に興味深いエピソードがあった。ハルロックは電子工作が好きな女子大生が周囲を巻き込んでいろんなものづくりをする漫画だ注1)。その中で主人公が、猫が「Twitter」で“つぶやく”システム「neko-tter」を制作した。首にかけた猫鈴型のセンサーで猫の状態を検出して、…日経エレクトロニクス
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太陽光発電の導入で家庭と電力会社が対立?
米国で、住宅用太陽光発電システムの導入量が急速に増加している。2014年には公共・産業用を初めて抜いたという。地球環境のためには喜ばしい動きだが、電力会社は危機感を強めている。なぜか。日経エレクトロニクス
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テスラのEVと、中国人のバイタリティー
高級電気自動車(EV)の象徴的存在といえる、米Tesla Motors社の「Model S」。その実車に乗る機会があった。乗車した場所は中国・北京。空港からホテルまでの移動に、Model Sのタクシーを利用した。日経エレクトロニクス
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少し高価でも買いますから
国内家電メーカーがテレビ事業を縮小するという報道が続いている。例えば、2015年1月末にパナソニックが中国やメキシコでのテレビ生産から撤退すると報じられた。同年2月初めには、東芝がテレビの自社生産から撤退するというニュースが流れた。日経エレクトロニクス
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公衆無線LANがなくなる?
移動通信事業者が駅や空港など公共スペースへの公衆無線LANの設置に躍起だ。理由は簡単。移動通信システム(3GやLTE)に流れ込むトラフィックの量が膨大になっているからだ。米Cisco Systems社の予測によれば、2013年から2018年の間にモバイル機器が生み出すトラフィックは約11倍になるとい…日経エレクトロニクス
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自動運転とiPS細胞
クルマの自動運転技術が進化している。周囲の状況を自律的に判断し、乗員や荷物を目的地まで運ぶ。自動運転といっても、当面はドライバーに運転の主体があって、自動運転機能は補佐役である。事故時に、責任を負うのは依然としてドライバーだ。しかし、クルマ自身が運転の主体となる完全自動運転車が街を走り回るようになる…日経エレクトロニクス
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液晶パネルメーカーは、底辺から抜け出せるか
「スマイルカーブ」という言葉がある。川上の部品・素材や川下のサービスに携わる企業が高収益を上げ、間にある機器やモジュールの加工・組み立てを担うメーカーが低収益に甘んじるという構図を指すものだ。日経エレクトロニクス
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ヒューマノイド不要論、変わり始めた世界の状況
先日、ロボット研究者の東京工業大学名誉教授 広瀬茂男氏の講演を聞く機会があった。同氏は東工大の教授を長年務め、ヘビ型ロボットや配管検査ロボット、地雷除去ロボットなど多数のロボットを開発してきた著名な研究者である。アンチ・ヒューマノイド(人間型ロボット)派としても有名で、本講演でも「ヒューマノイドの実…日経エレクトロニクス
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スマートメーターの設置は進むか?先行する米国では設置拒否が続出
2016年に控える電力小売事業の全面自由化に向けて、準備が着々と進んでいる。そのうちの1つが、スマートメーターの設置である。日本国内に設置される予定のスマートメーターの数は約7700万台。日経エレクトロニクス