東京都大田区に集積する中小のものづくり企業の多くは今、新規事業として医療機器分野への参入や事業強化を目指し始めている。この動きを支援すべく、同区は2014年2月14日、東京都文京区と協力関係を構築することを発表した(図1)。

 大田区ではここ数年、地元のものづくり企業と同区にある東京労災病院などの医療現場の連携を支援してきた。例えば、ものづくり企業の技術者を手術室に招き入れ、医療現場のニーズを直接把握してもらうといった取り組みだ。しかし、「そこから生まれたせっかくの技術も、薬事法の壁で実用化にこぎ着けられない状況になっていた」(大田区産業振興協会 理事長の野田隆氏)。

図1●医療関連産業で協力関係を構築
握手を交わす文京区長の成澤廣修氏(左)と大田区長の松原忠義氏(右)。