炭素デバイスの実用化は、透明導電膜に始まり、湿度などの各種センサー、そして2~3年先には蓄電池やキャパシターが続く。2020年ごろにはイメージセンサーやRFIDタグ、そして10年後には高性能マイクロプロセサも「炭素」に変わりそうだ。

 カーボンナノチューブ(CNT)やグラフェンを用いた電子部品や光学部品(炭素デバイス)の開発競争が世界中で熾烈を極めている。新しいデバイスの開発発表が続き、勢いは加速する一方だ。炭素デバイスの種類は多岐にわたる。(1)透明導電膜を用いたタッチパネル、(2)センサー、(3)燃料電池や2次電池、キャパシターの電極、(4)メモリー、(5)転写や印刷で作製するICやマイクロプロセサ、(6)ポストSi時代を狙う超高集積IC、(7)受光素子、(8)発光素子、(9)パワー半導体などだ。

 これらは技術的難易度や市場のニーズなどから実用化時期が異なる。(1)は既に量産が始まり、(2)~(4)は3年以内の実用化に向かっている。(5)~(9)は2020年前後かそれ以降に実用化される見通しだ。