【技術】デンソー、幅広い車種に搭載可能なエアコンユニットを開発

 デンソーは、小型車から高級車まで車種を問わずに搭載できるカーエアコンユニットを開発した。2013年12月にトヨタ自動車が発売した新型「ハリアー」と、2014年1月に同社が発売した「ノア」「ヴォクシー」が採用している。「車種を問わずに搭載できるエアコンユニットは世界初。今後、幅広い車種に展開していく」(デンソー)。

 これまでエアコンユニットは、搭載車種に合わせて設計するため、大きさや構造、構成部品が異なっていた。新型エアコンユニットは、主要構成部品を新たに開発して大幅に小型化することで、小型車の設置スペースに大型車と同じものを収められるようになり、車種が異なっても1つのエアコンユニットで対応することが可能になった(ただしエアコン能力によって表面積を変える熱交換器は複数ある)。

 新規開発した主要部品は、エアミックスドア、サーボモーター、ブロワーファンなど。ユニット全体で同社の従来品に比べて20%の小型化を実現している。エアコンから吹き出る空気の温度を調節するエアミックスドアは、厚さを従来品の半分にして、エアコンユニットの奥行きの短縮と軽量化を図った。ドアを動かすサーボモーターは、これまで複数必要だったが、設計上の工夫によって1つにしている。ブロワーファンは、翼形状を風の流れに最適な形に設計することで送風能力を維持しながら従来品よりも15%小型化し、消費電力も20%低減した。(高田)