科学的にばらつきを抑制
QVC(Quality Variation Control)プロセスとは、品質のばらつきを抑制し、不具合/不満を改善するために日産自動車が確立したツールとプロセスの名称だ。機能展開と品質工学を組み合わせることで、経験則や生産現場の努力に頼ることなく、上流から科学的に品質のばらつきを抑制できる。設計から生産準備、日常管理までの一貫したプロセスとしたことも、大きな特徴の1つである。本書では、同社がQVCプロセスを導入して約80件の品質ばらつき課題を解決し、その成果を確認した6年間の取り組みをまとめている。
日産自動車は、品質向上活動の基本となる「日産モノ造り品質フレームワーク」において、大きく2つの手法の開発に力を注いできた。その1つがQVCプロセス、もう1つが「Quick DR」と呼ぶデザインレビューの手法だ。Quick DRについての書籍(2012年2月発行)も、本書と合わせて読むことをお勧めしたい。(中山)