山積する社会課題の解決に向けて医療の再構築が求められている。それは、社会全体で医療を担う、いわゆる「ソーシャルホスピタル」の世界への移行である。このパラダイムシフトを導くのは、エレクトロニクスをはじめとする技術とサービスの連携だ。

 医療は病院が担うもの─。そんな常識は近い将来、過去のものになる。代わって到来するのは、社会を構成するあらゆる要素が医療を担う“場”になる時代だ。例えば、家や商業施設、自動車などの移動空間、そしてカラダそのものが医療の中心地となる(「“病院”は社会に分散する」参照)。いわば社会全体で担う医療、すなわち「ソーシャルホスピタル」とも言うべき世界が間もなくやってくる(図1)。

図1 医療を担う場所は「病院」から「社会」へ
図1 医療を担う場所は「病院」から「社会」へ
医療の主役となる場所は今後、病院ではなく社会全体へと移行していく。そのパラダイムシフトを導くのがエレクトロニクスをはじめとする技術によるイノベーションである。
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