E\-ディフェンスの外観
E-ディフェンスの外観
[画像のクリックで拡大表示]

 2013年12月11日18時過ぎ。鉄のひしゃげる大きな音と共に、ぐにゃりと構造物が傾いた。南海トラフ3連動地震で発生すると想定される規模の3.8倍もの振動を受けて、さしも頑丈な鉄骨のビルが針金のように折れ曲がった。

 同年12月10日と11日、前代未聞の実験が兵庫県三木市で実施された。18階建ての鉄骨純ラーメン構造のビルの大型骨組み模型を振動実験台の上に設置し、崩壊するまで揺らすというものだ。構造物が崩壊した瞬間、この実験はクライマックスを迎えた(図1)。

図1 18階建てビルがぐにゃり
図1 18階建てビルがぐにゃり
南海トラフ3連動地震で想定される長周期地震動の3.8倍の振動を3回与えることで、崩壊に至った。実験では補助フレームによって上部構造が崩落しないように支えたため、倒壊はしなかった。(写真:防災科学技術研究所)
[画像のクリックで拡大表示]