エネルギー・ハーベスティングを基礎から学ぶ本連載。最終回は、電源回路の設計技術と蓄電技術の解説、そして欧州のプロジェクトが実施している最新事例を紹介する。(本誌)

 エネルギー・ハーベスティング(環境発電)を自立電源に活用するステップは、大きく①環境中のエネルギーを収穫し、②電気エネルギーに変換し、③整流や昇圧/降圧、充放電制御といった電源管理を経て、④無線センサ・ネットワーク機器などのアプリケーションで利用するという、四つのブロックで表現できる(図1)。

図1 実用化に向けた4ステップ
図1 実用化に向けた4ステップ
エネルギー・ハーベスティングは、発電するだけでは価値は小さい。具体的な用途を想定して、最適なエネルギー変換技術や電源回路を開発する必要がある。
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 本連載ではこれまで、④アプリケーションでどれぐらいの電力が消費されるかを見積もってから、①環境中にどれぐらいエネルギーがあって、②どれぐらい発電できるのかを見積もった上で設計する必要があると説明してきた。連載を締めくくる本稿では、4ブロックをつなぐ最後のピースである電源管理について解説したい。