海外進出の成否は、進出する前に決まるといっても過言ではない。大切なことは、「進出しようとする国、すなわち相手国の事情を事前に把握しておくこと」だ。これは、前回(2014年1月号)述べた「日本企業は品質とコストに第3の軸を加えるべき」という考えの他にも、筆者が現地で見てきた経験から確実に言えることの1つである。

 それを怠れば、たとえ海外進出する企業に「世界シェアが高い」「優れた技術を持っている」といった強みがあったとしても、間違いなく失敗する。それどころか、本体である日本国内事業までもが苦境に陥る可能性もある。