背もたれの高いイスを倒して横たわっていると、そこに湯気の立ち上がるホカホカの蒸しタオルが運ばれてきて、顔の上に載せられる。「あ~ぁ、気持ちいい」。男性なら床屋で、女性なら美容院やエステで1度は経験したことのある、あの心地良さである。それを「いつでもどこでも手軽に味わえるように」と花王が開発したのが、蒸気で目や肩を温めてリラックス効果を高める使い捨て薄型シート「めぐりズム」だ(図1)。2005年に肩に貼る温熱シートタイプ、2007年にアイマスクタイプを発売。その後もアロマタイプなど商品ラインアップを増やし、アイマスクだけで累計1億7400万枚(2013年11月末時点、5枚/10枚入りパッケージの個数としては2500万個)を売り上げる大ヒットを飛ばしている。

図1●めぐりズムの商品展開
2005年に肩に貼るタイプの温熱シート(右上)を発売し、2007年にアイマスクタイプ(中上)を発売した。その後、ラベンダーやゆずの香りを付加したタイプ(左上)や、睡眠前の利用に向けたタイプ(右下)、メントールを配合して日中のすっきり感を高めるタイプ(左下)なども発売し、商品展開の幅を広げている。
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