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車内に置けるミリ波レーダー、ビーム化で“LiDAR”にも
日本電産エレシスが低損失導波路で実現、単眼カメラも一体化
車載電子装置の日本電産エレシスは、自動車の周囲を認識するミリ波レーダーを車室内で使用可能にする技術を開発、2019年秋以降に量産する。一般に76G〜77GHzなどのミリ波はガラスを透過する際に減衰し、室内にレーダーを置くと検知距離が半分ほどに短くなる。このため現在はフロントグリル内に配置することが多…
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パナソニックがLiDAR参入、計測範囲や解像度は動的に変更
実績あるモーターを2軸に使い、まずは産業用途で製品化
パナソニックは産業用途向けの3次元LiDAR(Light Detection and Ranging)市場に参入する。無人搬送車のような自律移動ロボットや、警備システムなどに向ける。2017年10月の「CEATEC JAPAN 2017」で展示した試作品の検出範囲は水平方向に270度、垂直方向に最大…
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異業種が引っ張るCEATEC、電機業界とIoTで結びつく
来場者数は9年ぶりの高水準
2017年10月3〜6日に国内最大級のエレクトロニクス業界の展示会「CEATEC JAPAN 2017」が開催された。公表された来場者数は15万2066人と、昨年から約7000人増加した。1日当たりの入場者数は約3万8000人で、2008年以来の多さという。
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レンズレスで超高解像度、センサーアレーも不要に
位相情報も使う撮像革命でカメラが一変
コンピューターによる演算で、光線の記録および再現方法を再構成し、今までのカメラでは不可能だった撮像機能を実現する技術「コンピュテーショナルフォトグラフィ(CP)」が急速に進展している。3000年近いレンズの歴史と、200年近い写真の歴史が大きく塗り替えられる撮像革命といえる。
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10μsで応答可能な組み込みDB、「自動運転品質」で活用広げる
日立オートモティブの自動運転向け開発基盤に採用
日立ソリューションズは組み込み機器向けに、同社の従来品と比較して約1/1000に相当する約10µ~数十µsの応答時間を実現できるデータベース管理システム(DBMS)「Entier インメモリデータベース管理システム」を開発。2017年9月に販売を開始した。
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狙いは「リアルタイムAI」、推論用AIチップの提案続出
データフロー型やFPGA、DRPに期待
「我々がデザインしたシステムは、要求を受けてから極めて短い遅延時間で応答を返せる、リアルタイムAI向けだ。リアルタイムAIは今後ますます重要になる」(米Microsoft社 Distinguished EngineerのDoug Burger氏のブログ)。
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“改造細菌”で人工光合成、酢酸を高効率に生産
C-C結合のある有機材料で植物超えに道
米University of California, Berkeley校(UC Berkeley)の研究者であるKelsey K. Sakimoto氏などが、食品を基に酢酸(CH3COOH)を出すバクテリアに光合成の機能を付加することで、光と水(H2O)と二酸化炭素(CO2)から高効率に酢酸を合成す…
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ソニーの近接無線が再始動、JR東と次世代改札機を試作
TransferJet Xに独自アンテナを組み合わせる
ソニーが近接無線通信規格「TransferJet」の普及に再び挑む。次世代仕様「TransferJet X」と独自のアンテナ技術を組み合わせて、「B to B」分野での採用を狙う(図1)。その応用先の1つが鉄道分野。ICカードをかざすことなく通過できる新型改札機を東日本旅客鉄道(JR東日本)や日本無…
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全固体電池を大幅に安く、東工大が新型電解質材料
伝導率の一層の向上も、材料探索の窓を開く
ポストLi(リチウム)イオン電池の代表的存在である全固体電池の開発で、大きな進展があった。東京工業大学の菅野了次氏(物質理工学院 応用化学系 教授)の研究グループが、材料・製造コストを大幅に引き下げられる新しい電解質材料を発見した(表1)。高価な原料を使わずに、既存の液体電解質を用いるLiイオン2次…
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スパコンで機械学習を加速、NECがベクトル計算機技術
疎行列を含む演算を高速化
NECは、同社のベクトルプロセッサーを使って各種の機械学習の演算を高速化する技術を開発した。このプロセッサーを搭載する同社のスパコン「SX-ACE」に適用し、複数台のx86サーバー機で構成するクラスターで実行する場合と比較したところ、数十倍~1000倍以上の性能を達成(図1)。研究成果を2017年7…
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Liイオン2次電池に製造革新、樹脂で電極構造や集電体を実現
三洋化成工業、“夢”のバイポーラ電池を実用化へ
Liイオン2次電池の製造と言えば、工程の大半は電極づくり─。この常識を覆す電池が登場しそうだ。三洋化成工業が商業化を検討していることを明らかにした新型Liイオン2次電池がそれだ。
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96層の3D NANDを18年量産、東芝・WDがQLCの64層版も
Samsungから「世界初」を奪還
東芝メモリと米Western Digital(WD)社は2017年6月末、3次元(3D)NANDフラッシュメモリーにおいて96層版と4ビット/セルの多値化技術「QLC(Quatro-Level Cell)」の64層版を開発したと相次いで発表した。
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EUV 7nmの量産、18年に開始、TSMCとSamsungが先陣争い
「54th Design Automation Conference(DAC 2017)」報告
半導体の微細先端プロセスをめぐる先陣争いが過熱してきた。2017年6月18~22日に米国オースチンで開催された電子設計技術に関する国際会議/展示会「54th Design Automation Conference(DAC 2017)」では、半導体の受託製造(ファウンドリー)事業で世界最大手の台湾T…
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AIで飛躍する省エネスパコン、日本勢がランキング上位独占
AI専用ベンチマークの検討も
2017年6月に発表された世界のスーパーコンピューターの性能ランキング最新版で、エネルギー効率の高さを比較する「Green500」の1位から4位を日本勢が独占した。7位と8位も日本製で、10位以内の過半数を占める活躍ぶりだ。
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Siウエハーの需給がひっ迫、300mmに続き200mmも
ウエハーメーカーは生産増強に慎重
「まさかここまでSiウエハーが入手しにくくなるとは思わなかった。長期調達契約を結ぶなど、事業計画を考え直す必要がある」─。あるパワーデバイスメーカーの役員はこう危機感を募らす。旺盛な半導体需要によってSiウエハーの需給がひっ迫。ウエハーメーカーが販売先や販売量の調整を始めたことで、一部の半導体メーカ…
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GaAs系太陽電池が格安に、ナノワイヤで基板レス
Si系太陽電池に重ねて使えば効率25%超も
GaAs系太陽電池は変換効率はSi系よりやや高いがコストははるかに高い─。これまでのこうした常識が崩れそうだ。スウェーデンLund University発ベンチャー企業のSol Voltaics社は、GaAs系ナノワイヤを用いた太陽電池シート「SolFilm」をハイエンド単結晶Si系太陽電池並みの変…
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ソニーが100G級の新メモリー、NANDとDRAMの間を埋める
書き込み時間は100ns、書き換え可能回数は1000万回
ソニーセミコンダクタソリューションズは、100Gビット級の集積化が可能とするクロスポイント構造の抵抗変化型メモリー(ReRAM)技術を開発した。2017年6月に京都で開催された、半導体(VLSI)関連の国際会議「2017 Symposium on VLSI Technology」(VLSIシンポジウ…
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IoTの間欠動作を低電力化、ロームが不揮発性ロジックで
電力効率1桁改善、インフラ監視センサーの電池寿命長く
ロームは、IoT端末を間欠動作させた場合に大幅な低消費電力化が期待できる技術を中国・清華大学と共同開発した。橋梁など社会インフラの状態を長期的に監視するシステムでは、センシングとデータ送信を1時間に1度など間欠的に実行させることが多い。限られた容量の電池で、10年以上といった長期間にわたって安定的に…
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ICパッケージ内に入る水晶、新構造で0.13mm厚「0806型」
大真空がウエハーレベルで封止、発振器は0.23mm厚
水晶発振器・振動子の薄型化が大幅に進む。大真空が、セラミックパッケージを使わず、信頼性も高まる新製法を開発、振動子で0.13mm厚、発振器で0.23mm厚を実現した。既存品の半分以下の厚みだ。高精度の温度補償型も用意する。IoT機器や車載機器、スマートフォンへの搭載を視野に入れる。2018年5月に量…
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東芝が新型の水素センサー、消費電力を1/100以下に
ヒーター不要のMEMSで実現
東芝は、従来の1/100以下の消費電力で動作する水素センサーを開発した。水素を吸収すると膨張する材料をセンサー膜として使い、膜の膨張で可動電極と固定電極間の距離が変わる機構をMEMSで作った。電極間の距離によって変化する静電容量を計測して水素を検知する(図1)。