特集2
目次
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運転支援か軽量化か
自動車部品で今、ホットな技術
自動車部品の最新技術が集う展示会「人とくるまのテクノロジー展2016」(2016年5月25~27日、パシフィコ横浜)。激しい競争を勝ち抜くために、多くの企業が開発に力を入れるのは、運転支援技術と軽量化技術の2分野だ。前者は安全性と快適性という価値を、後者は低燃費という価値を自動車に提供する。両分野に…
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軽量化を支える、異種材料接着技術の世界動向
ドイツの後塵を拝した日本への提言
ものづくりの基盤技術である接着技術の分野で日本が後れを取っている。世界の先頭にいるのはドイツだ。共に機械産業が盛んで技術力で拮抗するはずの両国だが、こと接着技術に関してはドイツの方がはるかに優位に立っている。同国を中心に世界の接着技術の動向と、ドイツが接着技術の開発や実用化を加速できる仕組み、そして…
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化学物質リスク対応、待ったなし
アセスメント義務化で変わる現場
2016年6月1日、改正労働安全衛生法の施行により、一定の危険有害性のある化学物質についてのリスクアセスメントが義務化される。労働者の安全と健康の確保対策をより確実なものとするためだ。業種や事業規模にかかわらず、対象となる化学物質の製造や取り扱いをしている全ての事業者が対象になる。化学物質は少量とい…
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使えるクルマの軽量化技術
低燃費競争のカギ
激しい低燃費競争を繰り広げる自動車業界。パワートレーンの電動化以上に期待されているのが、軽量化技術だ。軽くすれば燃料消費量を抑えられるだけではなく、走行性能や操縦安定性も高まる。おまけに、材料の使用量が減ってコストも削減できる。そのため、部品メーカーや材料メーカーの多くが軽量化技術の開発に力を入れて…
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高機能化が進むウエアラブル素材
センサーも回路も伸縮性高く
IoT(Internet of Things)の1つとして、衣類や靴、眼鏡などにセンシング機能や表示機能などを付加したウエアラブル端末が増えている。既存の製品にセンサーや配線を取り付けるだけでなく、生地そのものに機能を持たせたり、配線に伸縮性を持たせたりと、素材面での技術開発が進んでいる。ウエアラブ…
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コピー工場から脱却するタイ
「日本と同じ」はベストではない
タイに拠点を置く日系企業の工場が独自の歩みを始めた。高品質の製品を東南アジア地域6億2000万人の市場に供給する基地としての役割を担うようになり、労働賃金の安さだけに頼ったやり方は過去のものになった。ただし、「日本をそのまま模倣するのはベストとは言えない」と考える日本企業が増えている。日本のコピー工…
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これからはデライトデザイン
顧客を魅了する製品設計を支援
日本の製造業が世界市場で勝ち抜くためには、製品の付加価値を高めることが不可欠だ。特に新興国が台頭し、価格競争が激しくなっている近年においては、その必要性が高まっている。付加価値、つまり品質にはさまざまな考え方があるが、顧客満足度を飛躍的に高められる「魅力品質」に注目が集まっている。この魅力品質を高め…
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危機感から新技術が続々登場
「第44回東京モーターショー2015」詳報
東京から高い技術力を世界に発信する──。「第44 回東京モーターショー2015」(一般公開は2015年10月29~11月8日。会場は東京・有明の東京ビッグサイト)は、自動車メーカーや部品メーカーなどが開発した新技術を前面に押し出した展示が目立った。新興国企業の自動車産業への参入など海外企業の攻勢が強…
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GEの「新・産業革命」、第二幕
インダストリアル・インターネット、次の一手
多様な産業機器をインターネットに接続し、膨大なデータをソフトウエアで分析することで生産性を高め、新たな産業革命を起こす─。米General Electric社が提唱する「Industrial Internet」の次の一手が見えてきた。ドイツの「Industry 4.0」とは何が違うのか。産業界にどの…
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モジュール戦略の神髄
日産・ルノーの「CMF」に学ぶ成功の条件
製品のバリエーションを確保しつつコスト競争力を高める手法として脚光を浴びているモジュール化。しかし、モジュール化に合わせて開発プロセスを変えることや、モジュール戦略を主導する責任者を置くことの重要性は見落とされがちだ。日産自動車とフランスRenault社のグループが推進するモジュール戦略「CMF」を…
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メイカーズ旋風、日本へ
「Maker Faire Tokyo 2015」レポート
個人やスタートアップ企業といったいわゆる「メイカーズ」によるものづくりの広がりが、日本の製造業にも侮れない動きとなってきた。自由な発想は多種多様なアイデアを生み、それを具現化する手段も整備されてきているからだ。2015年8月1~2日に開催された「Maker Faire Tokyo 2015」への出展…
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VR・ARで進化する開発・生産
DMS展/IVR展に集った先端技術
製造業でも仮想現実(VR)/拡張現実感(AR)技術の本格的な利用段階を迎えようとしている。眼鏡に映し出された説明書を見ながら製品を組み立てる、仮想空間に入り込んでさまざまな角度から工場レイアウトや製品をつぶさにデザインレビューする─。2015年6月下旬に東京で開催された「第26回 設計・製造ソリュー…
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モジュラーデザインで受注生産品の設計を自動化
多様な顧客の要求に応えるべく、注文を受けるたびに設計者が新規の図面を起こす。受注生産型メーカーでよく見られる光景だ。しかし、日立プラントメカニクスの中小型天井クレーン「MOTクレーン」*1シリーズは全く異なる。設計者が顧客の要求仕様(顧客仕様)を入力すると、見積仕様書や設計図(見積図)などの設計成果…
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異業種連携で模倣品対策を推進
インダストリー4.0では、ドイツ政府の予算で多くのプロジェクトが進行している。その“差配役”を務めているのは、ドイツ機械工業連盟(VDMA)、ドイツ電気・電子工業連盟(ZVEI)、ドイツ情報技術・通信・ニューメディア産業連合会(BITKOM)という3つの業界団体だ。FAとITが融合したスマート工場の…
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加工する3Dモデルはユーザーが作る
インダストリー4.0によって変わるのは、生産プロセスだけではない。製品の企画や設計といった上流のプロセスも対象になる。
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ドイツで見えたスマート工場の未来
「Hannover Messe 2015」報告
「Industry 4.0(インダストリー4.0)」として、工場のスマート化による“産業革命”を仕掛けるドイツ。2015年4月13~17日に同国ハノーバーで開催された産業技術の展示会「Hannover Messe 2015」では、インダストリー4.0に関連した展示が目を引いた。次世代の製造業としてド…
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柔軟かつ安全なロボットが登場
人とロボットの協業を実現する上で大きな問題となるのは、ロボットの設置場所を簡単に移せないことである。マスカスタマイゼーションでは、造るものに合わせて生産ラインの姿が目まぐるしく変わる。その変化に対して、人は柔軟に対応できるが、特定の場所に固定されたロボットは難しい。
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「レゴブロック」のように生産ラインを構築
スマート工場によるマスカスタマイゼーションの実現に向けて、生産ラインを構成している個々の生産設備を自在に交換できるモジュールにする。Hannover Messe 2015では、こうしたコンセプトに基づいた展示が多数見られた。
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PPをくっつける
前処理なし、溶剤なしで使える接着剤が続々登場
クルマ、電気製品をはじめ、さまざまな機器に広く使われるポリプロピレン(PP)は、接着が難しい材料の代表格でもある。熱や超音波で溶着したり、プライマーやコロナ放電といった前処理の上で接着剤を使ったりという手間をかけるか、ねじなどで機械的に止めるのが常識だった。そこに、接着剤メーカーが前処理なしで使える…
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[ドイツFraunhofer研究機構]VWも頼る次世代工場の技術アイデア満載
「食器洗い乾燥機の耐久性をテストするロボットを開発してくれませんか」「産業用の有機EL表示装置を軽量・小型化するいい方法はありませんか」…。こうしたさまざまな開発依頼が、ドイツの半官半民の応用研究機関である、Fraunhofer研究機構(以下Fraunhofer)には舞い込んでくる。日本では企業が開…