デジタル回路では、データやCPUの命令などの情報は、1ビット単位ではなく、いくつかまとまった単位で扱われる。初期のインターフェースでは4ビット、すなわち「1001」のようなデータをひとまとめとして扱った。4ビットで表現できる最大は16進数である。これが理由ではないかと筆者は推測しているが、CPU、コンピュータを中心に16進数で表現されることが基本になり、4ビット、8ビット、16ビット、32ビット、64ビットとLSIの高集積化と歩調を合わせてひとまとめに扱うデータの単位が大きくなっていった。ご存じのように、8ビットは1バイトという単位で表現される。

 これらのまとまった単位のビットは回路の内部では並列で処理されるが、回路間のインターフェースでは、並列のまま転送する方式と直列に変換して送る方式がある。

1-1.並列転送

 並列転送方式(パラレルインターフェース)は、その名の通り、所望のビット幅のデータを並べて同時に転送する方式である。8ビットならば8本信号線を並べて同時にやりとりする(図2)。16ビット必要な場合には信号線数を増やす方法もあるが8ビットずつ2回に分けて、32ビットならば4回に分けて転送する方法もとられる。多くの方式では、送信用の信号線と受信用の信号線は双方向伝送を実現するために共用される。

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図2 並列転送

 複数の信号線でいくつかのビットを同時に送るため、信号線間で読み取るタイミングを合わせる必要がある。つまり、ある同一のタイミングで各信号線を観察し、規定電圧より高ければ「1」、低ければ「0」とするわけだ。信号の読み取りタイミングには、瞬間的な信号である「ストローブ信号」(英語の綴りはストロボと同じで同義)が使われる。このため、並列転送方式では信号線とは別にストローブ信号用の線などが必要になる。