前回は財務分析のうち、貸借対照表を使った「安全性分析」を学びました。今回は財務分析の最後のトピックとして「効率性分析」を一緒に確認していきましょう。

効率性分析は「流動」と「固定」の2つの視点が大切

 本連載の第3回で学んだように、効率性分析とは、主に「会社が資産・負債・純資産を効率よく使っているかな?」というのを分析・評価するものでしたよね。効率性分析の指標は金融機関や投資家などの利害関係者が重視するものが多く、経営会議や取締役会では頻出します。経営幹部を目指すのであれば、エンジニアでも学んでおくべき重要トピックです。

 これは余談ですが、MBA(経営学修士)やMOT(技術経営修士)の財務会計でも、この効率性分析は重要なトピックとして扱われます。つまり、「経営」を語る上では必須の知識ということですね。

 それでは、具体的に効率性分析のやり方を見ていきましょう。効率性分析は、主に損益計算書と貸借対照表を用います。どのように組み合わせるのかと言うと、実は基本形は決まっていて、図1のように分母に貸借対照表、分子には損益計算書を持ってきます。この基本形をしっかりイメージできるようになっておけば、あとはどう組み合わせるかを理解するだけです。

図1●効率性分析の基本
図1●効率性分析の基本
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