新人や後輩などの若手が、わからない点を上司や先輩に質問したとします。上司や先輩は何らかの形で質問に答えるでしょう。その答え方によって、若手が「うれしい」「ありがたい」と思うこともあれば、「困惑した」と思うこともあるようです。

 なぜ「うれしい」「ありがたい」と感じたのかを、若手に尋ねてみました。すると、「図を描いて丁寧に説明してくれたから」「忙しいところ、わざわざ時間を割いてくれたから」「調べ方を教えてくれたから」といった答えが返ってきました。

質問する側のマナーを教える

 では「困惑した」と感じるのは、どんな場合でしょうか。同じように若手に聞いてみると、「一度教えたでしょ! と冷たく言われた」「質問内容をメールで入れといて、とだけ言われた」「教えながらイライラしているのがわかり、怖かった」といった答えでした。若手が緊張を強いられている様子がうかがえます。

 これは必ずしも上司や先輩の側に問題があるとは限りません。「同じことを何度も質問してくる」「以前教えたときにノートに書かせたはずなのに、ノートを見返さずに尋ねてきた」などの理由で、上司や先輩のほうが若手の質問に「困惑した」可能性もあります。

 若手は自分のことにいっぱいいっぱいで、相手に対する配慮がつい欠けてしまいがちです。上司や先輩の都合にお構いなしに、「これ、教えてください」と言ってくるケースもあるようです。

 あるマネジャーはこう話していました。

「客先にいるときにケータイが鳴りました。打ち合わせの直前だったので、つい出てしまったところ、部下の一人からでした。その部下は、こちらの状態を尋ねもしないで、いきなりとうとうと質問し始めたんです。とても困りましたよ」

 こうならないよう、質問する側がわきまえるべきマナーを若手に教えることが大切です。「教えられ上手」に育てることも、若手を伸ばすポイントの一つとなります。