セーフティ・レーザスキャナの使用方法

 以下、セーフティ・レーザスキャナの使用方法を目的(用途)ごとに説明します。

<一定領域内の存在検出>
 セーフティ・レーザスキャナの一般的な使用方法は、一定の領域を検出対象として、その領域内で人や物の存在を検出することです。例えば図6に示したようなロボットにワークを供給する生産ラインでは、赤色で示した部分を防護領域として設定します。これにより、ワークをセットするために人が防護領域に入ったらロボットが停止するという制御が可能になります。

図6●ロボット生産ラインへのセーフティ・レーザスキャナの設置例
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 これと同じ目的のためにマットスイッチという安全機器を使う場合もあります(図7)。マットスイッチは中空構造になっており、垂直方向に荷重がかかるとマット内側に付いている上下の電極同士が接触して電流が流れるので、人や物の存在を検出できます。しかし、以下の点でレーザスキャナの方が検出性能に優れています。

■マットスイッチは、重いワークが落下した場合などに破損する恐れがある
■マットスイッチは一般に矩形なので、防護領域が複雑な形状の場合に対応しにくい

図7●マットスイッチによる存在検出

 さらに、前回紹介したセーフティ・ライトカーテンも同じ目的で使用できます。ただし、セーフティ・ライトカーテンは、投光ユニットと受光ユニットの間にある部分が検出領域になるという構造上、やはり防護領域が複雑な形状の場合に対応しにくいという制約があります。