的確な一言が良薬

 課題を克服してテニスが上手くなってくると、自分のプレー映像を見ても何が悪いのか分からなくなってくる。そんな時は上級者にメールで問い合わせてみるといい。私のプライベートコーチは現在メキシコ在住だが、自分のプレー映像をメールに添付して送ると1 時間後(時差もあった)には「映像を見る限り7cm前で打つようにしたらいい」と、簡単明瞭な回答を返してくれた。

 疑問を考え抜いた上での質問に、回答が間髪入れずに返ってくると、学習効果は大きくなる。脳は疑問に思った状態でドンピシャの回答を得ると、それが自分が求めていた正解であると直感でき納得するのだ。つまり自分の中でジグソーパズルの最後のワンピースがピッタリとはまるように、脳に完璧な形で記憶される。それこそが「いつでも、どこでも、だれとでものオンラインコミュニケーション」がもたらす画期的学習システムである。

 名コーチはいつもシンプルな言葉でアドバイスしてくれる。フェデラーは疑問が解決できないと、海外にいる世界最高レベルのコーチにその場で短いメッセージをスマホからメールするそうだ。たぶん、即興でアドバイスを受け、そのまま練習するのだろう。これに勝る練習はない。

 もちろん自分が何ができないのかを分かっていないと、文章で送ることはできない。しかし、分からなくても映像なら相手が見抜いてくれる。という映像ならでは利点もある。

 実は肝心なことは、スマホでもオンラインでもない。何が問題なのかを探して現場で試しながら解決策を自力で考えてみることだ、そして、分からなかった時に始めて信頼のおける人に質問することである。これをコンサルティング業務に置き換えると、質問メールを短時間で回答してくれるビジネスサービスを言うのではないだろうか。さらに重要なことは、自分にいつでも質問すれば回答してくれるプロ級のアドバイザーがいるかどうかということになる。

まとめ

残酷な映像現実が学習効果を上げる
(1)自分の営業、会議、プレゼンをスマホで撮影して自己改善
(2)その場で撮って、その場で見る

的確な一言が良薬
(1)知人に本音の意見をもらう
(2)プロもしくは熟練者の意見をもらう

比較して取り入れる
(1)自分と他人の映像を比較して良いところを取り入れる
(2)プロの失敗からも学ぶ