半導体とは?
半導体の基礎として、まずはじめに、そもそも半導体とは何かという話をします。
固体を電気的性質で大まかに分類すると図のようになります。良導体または金属は、室温で比抵抗が10-4Ω・cm以下程度の物質を指します。外観的には、不透明で重い印象があります。絶縁物は一般に比抵抗が108Ω・cm以上あるものを指します。ガラス、ポリスチロールのようなものがこれにあたります。固く、脆く、軽い感じがあります。半導体はこの中間に属し、10-4~108Ω・cmの比抵抗を持ちます。半導体の代表的なものには、シリコン、ゲルマニウムなどがあり、良導体とは異なった奇妙な性質を持ちます。本章であつかう半導体はシリコンを念頭においていますが、SiC(シリコンカーバイト)やGaN(窒化ガリウム)も半導体で、最近はパワー半導体素子として注目されています。窒化ガリウムはLED材料としても有名です。
構造的性質としては、シリコンなどのように単結晶構造を有する半導体もあれば、有機ELディスプレイなどに使われている有機ポリマーの半導体もあります。また、アモルファス構造のシリコンも半導体としての特性を有しており、一部の太陽電池に使用されています。
出典:「半導体プロセス教本」第1章、第2章 (発行 SEMIジャパン、編集 SEMI FORUM JAPANプログラム委員会、監修 出水清史、2012年9月第五版より)
梅田浩司
ゲートモジュール開発課 主任技師