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ウイルス対策ソフトがiPhoneにないのはなぜ?

2013/04/26 00:00
山崎 洋一=日経NETWORK編集
出典:日経NETWORK2012年2月号p.9 (記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

ウイルス対策ソフトがiPhoneにないのはなぜ?

(イラスト・アニメーション:岸本 ムサシ)

今回の回答者:
日本スマートフォンセキュリティフォーラム
西田 圭介

 最近は、スマートフォンのセキュリティ対策が注目されています。しかし米アップルのiPhone向けのウイルス対策ソフトは基本的に存在しません。これはなぜでしょうか。

 iPhoneにウイルス対策ソフトがない理由は二つあります。「ウイルスは、アップルのビジネスモデル上存在しない」「ウイルス対策ソフトを、技術的に作れないようにしている」――です。

 前者はアプリ配布のビジネスモデルに関わっています。iPhoneのアプリはApp Storeから一元的に配布するビジネスモデルを採っていて、App Storeで配布されるアプリにウイルスが入っていることがわかったら、アップルはそれをApp Storeから即座に削除します。つまり基本的にウイルスは存在しないことになります。

 後者はいくつかの理由があります。第1に、iPhoneにはバックグラウンド動作に制限がある点です。「音楽再生」「通話」「位置が変わったことの通知」の三つを除き、アプリはほかのアプリのバックグラウンドでは動作できません。パソコン用ウイルス対策ソフトのように、バックグラウンドでスキャンを実行することができないのです。

 ほかのアプリとの間で、自由にデータをやり取りできない点も理由の一つです。アプリは“サンドボックス”という隔離環境で動作し、アプリが作成するファイルもサンドボックスに置かれます。GPS、アドレス帳、写真などの一部のデータは、どのアプリからもアクセスできる共有領域に置かれますが、これらを除きファイルの受け渡しなどでアプリ同士がやり取りする場合は、ユーザーが明示的に操作しなくてはなりません。つまり、ウイルス対策ソフトがほかのアプリのサンドボックスの中を検査するのは難しいのです。

 ただし、ウイルススキャンをする手段は皆無ではありません。例えばMac用のウイルス対策ソフトのなかには、Macと同期中のiPhoneの中をスキャンできるものがあります。

この記事はITproのコラム素朴な疑問 Q&Aから転載したものです。