ライトカーテンの使用例

 ライトカーテンの具体的な使用例を紹介します。図3は、プレス機に設置した例です。プレス機のようなサイクルタイムの短いプレス機械でワーク(被加工物)の投入/搬出を行う場合に、指などを検知するためにライトカーテンを使用しています。一方、図4は産業用ロボットに設置した例です。産業用ロボットの周囲をライトカーテンで囲むことによって、安全柵の代わりとすることも可能です。ライトカーテンを用いた場合、人や物体の動きを物理的に妨げるものがないので、大きなワークを効率良くセットできるようになります。

図3●プレス機に設置した例
図4●産業用ロボットに設置した例

 先に、ライトカーテンでは一部の光線が遮光されたら受光側システムの出力をオフにすると述べましたが、遮光されている光線が一定数以下であれば出力をオンのままで維持するような設定も可能です。それを「ブランキング機能」と呼びます。同機能を用いると、以下のような便利な使い方を実現できます。

 例えば、図5のシステムではコンベヤを用いて薄いシート部材を機械に搬入しており、その入り口にライトカーテンを設置しています。この場合、コンベヤがある空間の光線は常時遮られることになるので、それでも受光側ユニットの出力がオフにならないように設定しています。こうした機能を「フィックス・ブランキング機能」と呼びます。コンベヤの位置を変更する場合は、再度設定を行う必要があります。

図5●フィックス・ブランキング機能を用いた例

 遮光される光線の数に基づいた制御も可能です。図6のシステムでは、機械から出てくるフープ材を機械の外で巻き取り、その出口にライトカーテンを設置しています。フープ材がたわむと遮光される光線が変わりますが、遮光される光線の数自体は変わらないので、受光側ユニットの出力はオンのままです。もちろん、何らかの異常によって設定値よりも多くの光線が遮光されるような事態になれば、出力は即座にオフとなります。こうした機能を「フローティング・ブランキング機能」と呼びます。

図6●フローティング・ブランキング機能を用いた例