自己診断(故障の検出)

 危険区域内での安全を確保するために、イネーブルスイッチおよびそれを用いるシステムには高い安全性が求められます。ほとんどのイネーブルスイッチでは接点が2重化されており、一方が故障した場合にもう一方だけで安全を確保(機械を停止)できるように、安全コントローラと組み合わせてシステムを構築します。故障の検出については、両接点の信号が一致した場合は正常、一致しない場合は故障と判断します(図7)。

図7●安全コントローラを用いたイネーブルスイッチの自己診断(故障の検出)
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無効化の防止

 他の安全機器と同様、イネーブルスイッチも無効化対策が不可欠です。ティーチングペンダントやグリップスイッチは手に持って操作するので、落下したり無造作に置かれたりした場合の衝撃で接点がオンにならないように、操作機器全体やボタンの位置・形状を工夫しなければなりません。ティーチング・ペンダントでは図8、グリップスイッチでは図9のような工夫が施されています。

図8●ティーチング・ペンダントの形状的工夫
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グリップスイッチの形状的工夫
図9●グリップスイッチの形状的工夫