ロック付き安全スイッチの構造

 ロック付き安全スイッチの標準的な構造を図3に示します。

図3●ロック付き安全スイッチの構造
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 図3の左半分は、一般的な安全スイッチ(前回を参照)の構造とほぼ同じです。扉に取り付けるアクチュエータの動きと連動してカムが回転し、扉の開閉を検出する接点(C部)により、電気信号のオン/オフを制御します。一方、図3の右半分はアクチュエータのロック/ロック解除を司る部分(D部)です。図3は扉が閉まっている状態を示しており、ソレノイドは無励磁(電圧が加わっていない)状態です。圧縮ばね(E)の復元力によってロッド(B)がカムの凹部とかみ合っているので、カムの動きは制限されており、アクチュエータは抜けません。

 さらに、機械が稼働する条件には、扉が閉じていることに加えてロックが掛かっていることも必要です。従って、C部とD部を直列に接続することによって、どちらかがオフになると信号が遮断されるようにします。

 ここで、ソレノイドについて簡単に説明します。ソレノイドは、電気エネルギを機械エネルギへと変換するものです。図4に示すように、コイル(電線を巻いたもの)に電流を流すと、そこに磁力が発生し磁性体のロッド(B)を直線的に移動させます。図4の場合、磁力が発生するとロッド(B)は右に移動しますが、磁力がなくなると圧縮ばね(F)の作用によって左に戻ります。

図4●ソレノイドの動作説明(スプリング・ロックタイプ)
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