プロジェクトリーダーは、開発プロジェクトの開始にあたり、以下の書類を準備します。

 ①プロジェクト・スコープ
 ②プロジェクト目標
 ③プロジェクト・スケジュール
 ④予算計画
 ⑤リスク想定表
 ⑥プロジェクトメンバー・リスト 

 プロジェクトリーダーは、まずプロジェクト・スコープを作成し、次に各メンバーに送付します。プロジェクト・スコープを見ると、一目でプロジェクトの概要を理解することができます。まず、個別に打ち合わせを行い、タスクにかかる時間、マンパワー、コスト、マイルストーン、必要機器、部品と材料の調達先など、各メンバーの業務全般について話し合います。プロジェクトリーダーは、この最初の聞き取り聴取により、スケジュールなど上記書類を作成し、キックオフ・ミーティングを招集します。ミーティングに提出される書類は最初のたたき台であり、メンバーにより詳細な検討が行われることになります。プロジェクトリーダーは、ミーティングでの検討をもとに、プランの書類を修正し、運営委員会へ提出し、承認を受けなければなりません。承認を受けたスケジュールを、再度各メンバーに配布します。

①プロジェクト・スコープ

 プロジェクト・スコープはプロジェクトの目的、プランなどの概要を明記したプロジェクトの骨子です。プロジェクト・スコープは、特に会社幹部が一読し、プロジェクトの背景、目的などを素早く理解できるようにまとめるべきです。プロジェクト関係者は全員がプロジェクト・スコープを十分理解し、その達成にコミットしなければなりません。プロジェクト・スコープは、まずメンバーと話し合い、合意を得た後、運営委員会の承認を得ることになります。

②業務分解表

 次にプロジェクトの業務をタスクに分解して書きだし、タスクの業務分解表(Work Breakdown Structure)を作成します。ここでは、プロジェクトがまず大きな5フェーズに分解され、さらに試作フェーズがさらに細かいタスクに分解されています。このとき、各メンバーに担当業務の詳細分類と各タスクの所要時間を聞き、それをもとにスケジュールを作成します。この分解表が現実的かつ正確であるほど、プロジェクトの成功度が高まります。

 ここでプロジェクトのマイルストーンが明らかになります。マイルストーンとは、里程標などとも訳されていますが、いわば街道の一里塚のように行程の節目となるもので、プロジェクトでは、いくつかの重要な節目がマイルストーンとなります。例えば、キックオフ・ミーティング、設計から試作に移行、顧客の承認などがマイルストーンと考えられます。このマイルストーンになるタスクの達成がプロジェクトのプランに影響を与えることになります。例えば、試作品ができないと、評価実験などその後の業務ができない場合、試作品の完成は重要なマイルストーンとなります。

 プロジェクトリーダーは、常にマイルストーンとなるポイントに留意し、スケジュール管理を行います。

③スケジュール管理