キックオフ・ミーティングで責任を自覚

 プロジェクトリーダーは、プロジェクトメンバーを選出し、プロジェクト開始を宣言するキックオフ・ミーティングを開催します。メンバーはこの時点で、プロジェクトメンバーとしての責任を自覚することになります。

 キックオフ・ミーティングにおいては、具体的には以下のような事項を話あうことになります。

—プロジェクトの背景、目的、成果
—プロジェクト・プランの説明と検討
—プロジェクト組織、メンバーと各担当業務
—スケジュール、業務内容、リスクなどについて検討
—基本的なプロジェクト スコープ、プランについての合意
—コミュニケーションの時期、方法についての合意

 などです。これは最初のチーム・ミーティングであり、メンバー全員が、各メンバーの担当タスク、プロジェクト目的及びプラン全般についての理解し、コミットすることが重要です。

 しかし、プロジェクトの実行において、時折メンバーの意見が食い違い、まとまらない場合があります。このような場合を事前に想定し、プロジェクトリーダーは、「意見がまとまらない場合は、私の責任で決定いたします」と宣言しておく必要があります。ただし、感情的なしこりは残さないようにしてください。もし一方のメンバーが不服そうなときは、個人面談で、不満点を聞き出し、説得することです。プロジェクトメンバーは、この段階でプロジェクトリーダーの責任範囲、決定事項と同時に、全員で決定する事項についても理解する必要があります。

 キックオフ・ミーティングは、メンバーによるチームワークを形成する最初の場となります。そこでキックオフ・ミーティングでは、十分な時間を設け、討論の場を通して、メンバーの自覚、理解、人間関係が醸成されるよう心掛けてください。

 プロジェクトリーダーは、キックオフ・ミーティング後、速やかに運営委員会にミーティング内容について報告し、プロジェクトプランの承認を受けることになります。運営委員会は、プロジェクト運営の最終決定機関であり、プロジェクトリーダーは、常にプロジェクトの進捗状況を運営委員会に報告しなければなりません。