プロジェクトリーダーは、プロジェクトプラン作成に取り掛かることになりますが、ここで重要なことは、この初期の計画段階でできるだけ詳細かつ綿密なプランの検討、議論をすることです。初期検討の充実度がプロジェクト全体の成功を左右すると言われています。これは「フェイガンの法則」と呼ばれ、IBM社のM、フェイガン氏によってソフトウエアの開発プロジェクトについて提唱された考えた方で、「初期の入念な検査が、プロジェクトの信頼性、品質、生産性を向上させる」というものです。

 例えば、プロジェクトのプラン段階では、変更、修正などが30分で済みますが、プロジェクト中盤になると、数週間かかるといった状況となり、プランが大幅に遅れるといった事態が発生します。つまりプロジェクトが進行した段階ほど、変更、修正のための時間とコストが増大することになります。さらに、プロジェクトのプランが突然、変更になると、メンバー間にストレス、不満、不信感などが発生し、プロジェクトの達成に大きな影響を及ぼすことになります。このようにプロジェクトの予期せぬ変更や修正をなくすために、事前の入念な検討が必要なのです。

 当然のことながら、この検討はプロジェクトメンバー全員でなされるべきであり、同時にメンバーのプロジェクト理解度、コミュニケーションが向上するというメリットがあります。さらにこの事前の検討は、将来のリスク・マネジメントにも非常に有効です。

 プロジェクトの開始段階で、個別または複数でのミーティングを開き、メンバーと以下のような点について詳細な検討をすべきです。

—目的の達成難易度
—スケジュールの妥当性、実行性
—各タスクの難易度
—マンパワー、コスト配分の妥当性
—予測されるリスク

 特に想定されるリスクについては、リスク分析、リスク・マネジメントの観点から、入念な検討が必要です。

 タスクとは、プロジェクトメンバーが担当する個々の業務のことで、大まかに3~10日位の業務単位と考えられます。例としては開発仕様に基づいた試験とその報告、品質規格作成などがあげられます。初期段階で、各タスクの難易度、リスクなどを検証することプロジェクト成功のカギとなります。

キックオフ・ミーティングで責任を自覚