プロジェクトの成否は、プロジェクトリーダーの資質、能力にかかっているといっても過言ではありません。

 プロジェクトリーダーには、さまざまなスキルが要求されます。プロジェクトリーダーに要求されるスキルは、下記の5項目になります。

 1 プロジェクトマネジメント・スキル
   (プロジェクトのプラン作成、管理)

 2 ビジネス・スキル
   (予算管理、人事管理、契約の管理)

 3 技術的理解、知識
  (製品技術、マーケットの知識)

 4 コミュニケーション・スキル
   (交渉力、説得力など)

 5 リーダーシップ・スキル
   (意思決定能力、指揮管理能力)

 これらのスキルは、一般的な管理者に要求される能力と共通する部分が多いことに注目してください。

 プロジェクトリーダーは、時には全く違う部門のメンバーを束ね、モチベーションを高めながら、プロジェクト業務をスムーズに進行させなければなりません。一般的にどのようなリーダーが望まれるのか、心理学からの理論を紹介いたします。

 心理学者、三隅二不二氏によって提唱されたPM理論は、リーダーやマネジャーに要求される二つの側面、P(業績、Performance)と M(維持Maintenance)の重要性について説明しています。PM理論では、仕事の遂行、完成を重要視し、成果をあげる資質(P機能)と、グループのチームワークや人間関係を重要視してチームをまとめる資質(M機能)が、リーダーに必要な資質として指摘されています。PM理論では、PM両機能を持ち合わせたPM型のリーダーが最も優れた結果を出すと報告されています。

 従って、プロジェクトマネジメントにおいても、プロジェクトの業務の遂行を重視しながらも、チームメンバーの人間的側面にも気を配るリーダーが求められるわけです。プロジェクトにおいては、チームワーク、プロジェクトリーダーとメンバーの信頼関係、メンバー同士の人間関係などが、目に見えない形で、プロジェクトの成功に影響します。

 さらにプロジェクトリーダーはプロジェクトの成功を確信していなければなりません。もしプロジェクトの成功に疑問を抱いたり、不安感をもったりと、メンバーは直観的に、それを察知し、モチベーションが低下します。プロジェクトリーダーは、メンバーとの連絡を頻繁に行い、各業務の仕上がりを把握しながらプロジェクトの進行を促進します。また、常にプロアクティブに行動して、リーダーシップを発揮しなければなりません。プロジェクトリーダーの重要な役割は、自分の責任のもとに決定を下すことです。メンバーの意見を聞くことも重要ですが、必要におおじて、明確な決断をしなければなりません。