提案されたアイデアは、フィージビリティーの評価を経て、プロジェクト提案へと進みます。開発評価委員会に承認されたプロジェクト提案は、正式に新製品開発プロジェクトとして発足し、プロジェクトリーダーが選任されます。

 プロジェクト開始と同時に、新たに選任されたプロジェクトリーダーを中心として、プランに基づき、目的達成のためメンバーが担当業務を遂行することになります。プロジェクト開始後は、PCDA (Plan-Do-Check-Act)を繰り返し、プロジェクトを進行します。本稿における新製品開発プロジェクトでは、基本的に顧客との共同開発を前提としているため、顧客による新製品共同開発の承認が重要な節目となります。新製品の試作品を顧客に提出し、承認を得た段階で、直ちに製造開始のための製造手順書、品質規格などの書類準備、製造部門との打ち合わせが開始されます。

 当初、営業、設計などから提出されたニーズ開発提案に対して、その提案が会社の経営戦略、技術力などに合致しているか、第一次の審査を行います。この初期審査は、営業、技術、製造などを担当する会社幹部によって構成された開発評価委員会または経営幹部会により行われます。これをフィージビリティー評価と言います。ここでは、その提案が、

—会社の経営方針にのっとり業績向上に寄与するか。
—現在の技術、社内体制で達成可能か
—開発コストを提供できるか
—開発のリスクはなにか

 など会社の経営戦略、業務内容、技術力などの観点から、大枠での検討を行い、可否を決定します。